アクリルミラー製の小さなのぞきからくり、でもその中身は・・・   

    
試作はなんと
1974年、大学1年の10月の課題時です。基礎造型の課題違反で作った5センチから10センチ立方の立方体万華鏡です。1980年、大学院の修了制作のテーマとしてさらに研究を進めました。ヤマザキはこれを「立方体の宇宙」としてCube+Cosmosを縮めて"CUMOS"と呼ぶことにしました。 立方体万華鏡ですが、サイコロ型万華鏡として1997年に立ち上げたホームページでも紹介してきました。 next about CUMOS -3

写真は1975年の芸大2年次の芸術祭で初めて展示した時のものです。
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CUMOS(キューモス)立方体万華鏡シリーズは、わたしが東京芸大1年10月の基礎造形の課題で制作した内面鏡貼りの箱、いわゆる鏡箱の一号箱から、2007年時点ですでに33年ほどたちました。1年生の後期課題でおよそ「立方体を基本とするユニットを使って空間に増殖する立体構成を作りなさい」といった内容の出題でした。

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デザイン学科の田中芳郎先生出題の基礎造形課題だったのですが、二浪を経験していた私は、だいたい建築的に箱構造を組み合わせて出来上がる完成形が想像できてしまい面白くありませんでした。そこで、ちょっとへそ曲がりに考えて、箱は一つしかないのに内部に無限増殖する仕掛けとして発案した鏡箱がこのキューモスCUMOSです。 next about CUMOS -3

学部の3〜4年は工芸科の鋳金へ進んだ関係でいったん遠ざかりましたが、大学院でデザイン系の構成デザイン専攻へ進学して、田中芳郎先生とインダストリアルデザイン専攻の田中央先生に指導を受けつつ、この写真にあるような形に完成させていきました。1980年の6月29日に朝日新聞「新・遊びの博物誌」の24番目のテーマ「サイコロ型万華鏡」として取り上げて頂き、キューモスは全国に紹介されました。1981年9月に銀座松屋で開催された「デザインフォーラム'81」で「鏡の美繰り箱(びっくり箱)キューモス」として銅賞を受賞しました。表彰状はデザインコミッティーメンバーで審査員であった福田繁雄先生から受け取りました。
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←1980年東京芸大卒業制作展(東京都美術館/大学院構成デザイン専攻修了時)

その後、実用新案特許を取得して、
80年代中盤には、西武百貨店池袋店アトリエヌーボーや銀座松屋の遊びのギャラリーを中心に販売しました。その間およそ 4~5年だったと思いますが、わたしは約3000個のcumosを制作しほとんど売れてしまい、今は手元に状態のよいものがあまり残っていない現状です。90年代初めにアクリル原価の高騰と、ディスプレイや空間演出デザインの受注が増えたことや私の主な制作テーマが大型化したことで、制作そのものを休止していました。

一時、量産のころろみをしましたが、肝心の反射像の収斂がうまくいかず、これも断念したままになっています。そのときの材料の在庫を今になって再び取り出してきて、再組み立てしてみました。この量産型は6cm立方大です。
他の小生産タイプには
8cm立方と10cm立方、12cm立方とありました。さらに実験試作のものですが、正8面体のタイプLED内蔵型や長方体や板状のものなどがあります。アクリルの厚板を全面蒸着した特殊なcumosも作りました。

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80年代の販売店は六本木アクシスリビングモチーフ、西武アトリエヌーボーフレンドシップや銀座松屋遊びのギャラリー等でした。
現在は銀座
6丁目のギャルリーヴィヴァンとヴィヴァンの楽天サイトで販売中です。
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